2012年に日本でも上映されたフランス映画「最強のふたり」、実はこの映画には実話が!劇中に登場する人物、キャラクターにはモデルが存在するようなんです。一体どのような人物なのでしょうか。
今回は映画、最強のふたりのモデル、ドリスはなぜ辞めたのか、あらすじやキャスト、名言などについて調査しました。
最強のふたりのモデルは?
最強のふたりは実話に基づいた物語であり、作中の主要人物にはモデルが存在します。モデルは フィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴさん(Philippe Pozzo di Borgo)とその介護人アブデル・ヤスミン・セローさん(Abdel Yasmin Sellou)です。
フィリップさんは、1951年生まれで、かつてコルシカ島で公爵の位にあったディ・ボルゴ家の血を引く、正真正銘貴族の家系で大富豪。世界でも有数のシャンパンメーカーの重役を務めていました。
出典:ギャガ公式チャンネル
全身麻痺になってしまい介護人のアブデルと出会う
1993年の42歳の時、パラグライダー事故により頸髄を損傷し、全身麻痺になってしまいます。そこで介護人を雇うこととなるのですね。映画ではドリスというアフリカ系の黒人として描かれていた介護人は、実際はアブデルさんという方です。アブデルさんは、黒人ではなくアルジェリア出身の、地中海系の方ですよ。
24歳でフィリップさんと出会い、介護人を務める事になったアブデルさん。その後、2001年にフィリップさんは自身のことや介護人アブデルさんとのことを書いた本 Le Second Souffle(第二の呼吸) を出版しました。
テレビ番組で取り上げられ話題に
2002年には、フィリップさんとアブデルさんはフランスのテレビ番組 Vie privée, vie publique で取り上げられました。この番組の司会者ミレイユ・デュマ(Mireille Dumas)さんは二人に興味を持ち、2003年に二人を描いたドキュメンタリー À la vie, à la mort を製作しました。
実話との違う点もあり、劇中、フィリップさんの妻ベアトリスさんはすでに死亡したことになっていますが、実際に彼女ががんで亡くなったのは、アブデルさんが家にやって来てから4年後の96年5月です。
実際の二人の契約関係は10年にわたって続いた。
更に、劇中ではドリスの弟が助けを求めに来たことをきっかけに、雇用関係を解消。ほんの1年程度の出来事のような印象になっていますが、実際には10年間にわたって面倒を見ています。2人はモロッコへ移住するのですが、アブデルさんが現地の女性を好きになったため、アブデルさんの将来のことを考えて、フィリップさんの方から契約を解除しているとのことですよ。
数々の名言が!
本作には劇中に様々な名言が登場します。ここからはフィリップとドリスの名言を紹介しますよ。
フィリップの名言
頸髄損傷の重傷を負ってしまったフィリップ。彼の言葉にはフィリップの人柄がとてもよく表れていますよ。
「体の苦痛は去っても、心の痛みは残るんだ」
ドリスの前ではじめて激しい発作を起こしたあとのフィリップは、落ち着いたあとに自分の過去を語ります。その中での印象深いセリフです。障害を負ってしまったことにより社会での立場が大きく変わってしまったフィリップ。例え自分に優しく接してくれる相手でも、その同情的な視線すら彼の孤独を強調してしまう、障害の真の重さを表した台詞ですね。
「そこがいい…容赦ないところがね」
フィリップの友人、アンソニーの「注意したまえ。ああいう輩は容赦ない」という忠告を受けての言葉です。スラム育ちのドリスのことを良く思わないフィリップの友人アンソニーは、ドリスには実は前科があることをフィリップに告げ、注意するよう忠告します。それに対するフィリップの答えがこちら。フィリップの大物っぷりが分かりますね。
「彼の素性や過去など、今の私にはどうでもいい事だ」
ドリスがフィリップを単なる「障害者」として扱わなかったように、フィリップもドリスのことを「スラム育ちの前科者」という目では見ません。 大切なのは、過去にとらわれず現在の相手のありのままの姿を受け入れることだと主張、本作ではフィリップがドリスのことを差別的な視線で見ない姿勢がとても印象に残ります。
「なぜ人は芸術に興味を持つのか? この世に残せる唯一の足跡だからだ」
フィリップの趣味はクラシック音楽と絵画の鑑賞。難解なアート作品に大金を払うフィリップを見て、ドリスは驚きます。しかしフィリップの趣味に付き合ううちに、少しづつ芸術への興味を芽生えさせていったドリス。自分とは異なる価値観に触れることで、人生の幅がより広がっていきますよね。
などなど、他にも多数の名言が生まれましたよ。
ドリスの名言
意図せずフィリップの介護人を務めることとなったドリス。彼の破天荒な生きざまが数々の名言に表れています。
「推薦? あるよ。クール&ザ・ギャングとアース・ウィンド・アンド・ファイアーはおすすめだね」
フィリップとドリスの最初の出会い、フィリップの介護人を選ぶ面接の場でのドリスのセリフです。
面接官の女性が「推薦状は持っているか?」という意味で「あなた、推薦はある?」たずねたのに対し、おすすめの音楽を答えてしまったドリス。当時のドリスがその場にそぐわないような生活を送って来ていたことが一発で分かるシーンです。
「イヤだよ。あんたを馬みたいに荷台に載せるなんて」
フィリップを障害者用の車に乗せることになったドリス。しかしドリスは、フィリップをバンの荷台に押し込めることを拒否し、自分が高級車を運転するから車椅子を降りて助手席に乗らないかとフィリップに提案します。フィリップのことを等身大の一人の人として真正面から見ることができる、ドリスの美徳が表れたシーンです。
「きいてきいて。 障害者はどこにいるでしょう? 答えは…置き去りにされた場所」
フィリップの車椅子を押しながら、こんなブラックなジョークも屈託のない笑顔で言うドリス。ドリスはフィリップのことを置き去りになんてしません、故にフィリップは障害者ではなく一人の人間として扱われるのですね。
「踊れない音楽なんて、音楽じゃないぜ」
クラシック音楽を聴かせてくれたお礼に、今度はドリスがフィリップにおすすめの音楽をおしえます。ノリのいい音楽にあわせて、来客全員を巻き込んだダンスシーンがスタート。フィリップもまたドリスのおかげで異なる価値観に触れることができるのですね。
などなど、ドリスもまた、他にも多数の名言を生み出していますよ。
あらすじ
泣いて笑って、生きるパワーをくれる感動の実話!!パリに住む富豪のフィリップは、頸髄損傷で首から下の感覚が無く、体を動かすことができない。フィリップと秘書のマガリーは、住み込みの新しい介護人を雇うため、候補者の面接をパリの邸宅でおこない、そこにドリスが面接を受けに来る。
しかしドリスは職に就く気はなく、給付期間が終了間際となった失業保険を引き続き貰えるようにするため面接を受け、不合格になったことを証明する書類にサインが欲しいだけだった。気難しいところのあるフィリップは、他の候補者を気に入らず、介護や看護の資格も経験もないドリスを、周囲の反対を押し切って雇うことにする。
キャストは?
ここからは最強の二人のキャストについて紹介していきますよ。
フィリップ
主人公であり、頸髄損傷を負ってしまうフィリップの役を演じたのはフランソワ・クリュゼさん。過去にはセザール賞主演男優賞を受賞したこともある名優で、本作では第24回東京国際映画祭最優秀男優賞を受賞しました。
ドリス
もう一人の主人公、スラム街出身の黒人青年で、フィリップの介護人を務めることとなるドリス役を演じたのはオマール・シーさん。本作でフランソワ・クリュゼさんと共に第24回東京国際映画祭最優秀男優賞を受賞したほか、セザール賞主演男優賞も受賞しました。
イヴォンヌ
フィリップの助手であり、ドリスとも徐々に打ち解けていくイヴォンヌを演じたのはアンヌ・ル・ニさんです。
マガリー
フィリップの秘書であり、ドリスから異性として気に入られるマガリーの役を演じたのは、 オドレイ・フルーロさんです。
マルセル
フィリップの使用人、介護士で、ドリスに日常の介助の仕方などを教えるマルセルの役を演じたのはクロティルド・モレさんです。
エリザ
フィリップの娘、養子であるエリザの役を演じたのはアルバ・ガイア・クラゲード・ベルージさんです。
他にも多数の名優が出演しましたよ。
ドリスはなぜ辞めた?
映画、最強のふたりの中で、ドリスは途中でフィリップの介護人を辞めることとなるのですが、ドリスはなぜ辞めたのでしょうか。実はドリスの実家の家族は問題を抱えており、ドリスの弟が彼を訪ねたことで問題が表面化します。ドリスがフィリップに自身の家族の話をすると、フィリップはドリスとの別れを決めるのです。
実話では恋が別れの理由となっているのですが、フィリップが介護人のことを思って自ら契約を解除したという流れは事実でも映画でも共通しているのですね。
まとめ
今回は最強のふたりのドリスはなぜ辞めたのか、元ネタとなる実話などについて紹介しました。フランス映画「最強のふたり」にはモデルがおり、 フィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴさん(Philippe Pozzo di Borgo)とその介護人アブデル・ヤスミン・セローさん(Abdel Yasmin Sellou)がモデルです。更には作中には数々の名言が!皆さんも是非一度見てみてくださいね。










