世界三大臭い食べ物の1つである「シュールストレミング」。シュールストレミングで、死亡例があるといわれているのをご存知でしょうか?シュールストレミングは発酵品で、納豆やキムチのような位置づけとして、世界のユニークな食べ物として知られています。発酵品なので、強烈な臭いを発するまで時間をおいている食べ物ですが、死亡した例があったとしたら大問題ですよね。世界三大臭い食べ物の1つ・シュールストレミングの死亡例は事実なのか、調べてみました。
シュールストレミングで死亡例がある?
結論からいうと、シュールストレミングで死亡した例はありません。シュールストレミングは発酵品ですが人体に有害な物質は含まれていませんので、よほど悪くなり菌が増殖したものを食べなければ、シュールストレミングで死亡するということはないでしょう。一般的な食べ物と同じですね。では、なぜシュールストレミングで死亡した例があると噂が流れているのでしょうか?
シュールストレミングとは?
まず、シュールストレミングで死亡するとまでいわれる理由を探るために、シュールストレミングの基本情報について解説します。シュールストレミングはスウェーデンの食べ物で、ニシンの塩漬けを缶詰にした商品です。スウェーデンの歴史上では伝統的な食べ物として扱われ、現在は世界中で楽しまれています。シュールストレミングは、塩分濃度の低い塩水を用いて発酵させるという特徴があり、さらに滅菌処理せず缶詰にするため、缶の中でもなお発酵が進むのだとか!これが、強烈な臭いの理由なのですね。
シュールストレミングで起こった驚きの事件
シュールストレミングで死亡例があると噂されるようになったのは、シュールストレミングに関する事件がいくつも起きているからです。しかし、シュールストレミングの事件で死亡例が出たことはありません。強烈すぎる臭いで失神する可能性はあるということで、危険な食べ物であることは間違いないかもしれませんね。ここからは、シュールストレミングの事件がどのようなものだったのか1つ1つ見ていきたいと思います。
ロシア大使館へのシュールストレミング投げ込み事件
2022年、ロンドンにあるロシア大使館に開封済みのシュールストレミング缶が投げ込まれるという事件が起こりました。世界三大臭い食べ物の1つであるシュールストレミングを投げ込むという行為は「バイオテロ」「生物化学兵器テロ」などと呼ばれ、現代も語り継がれています。開封済みのシュールストレミングということで、悪意を感じる嫌がらせですね。
音楽フェスでのシュールストレミング爆発事件
2014年、スウェーデンで行われた音楽フェスの会場にて、爆発事件が起こりました。爆発物は小型爆弾によるもので、地面が約30cm削れたり、会場の窓が割れたりする被害が確認されたそうです。そして、その爆弾の下に置かれていたのが、シュールストレミングでした。シュールストレミングごと激しく爆発したため、周辺には火薬とともにシュールストレミングの残骸と強烈な臭いが残ったそうです。幸い、この爆発によるけが人はいませんでしたが、犯行声明はなく、いまだ謎が残る事件だそうですよ。
山小屋で25年前のシュールストレミングが発見された事件
2014年、ノルウェーで25年前のシュールストレミングの缶詰が発見されました。第一発見者は、ただでさえ悪臭を放つシュールストレミングが、25年もの時を経てどのような臭いを放つのか、自分たちは無事でいられるのか不安になりました。その結果、専門家に処理をお願いしたそうです。近隣住民には、25年前のシュールストレミング缶を開けることを事前に伝え、開封時に発生するガスや強烈な臭いで被害者が増えることを懸念し、軍隊にまで連絡。結局、缶詰を開けると発酵が限界まで進み、泥のようになっていただけだったそうです。
シュールストレミングによる異臭事件
2012年、スウェーデンのとある住宅地で異臭騒ぎが起こります。警察が到着すると、住宅地の1つの家でシュールストレミングパーティーが行われており、その近隣全体に悪臭が充満していたそうです。あまりの悪臭に、住民たちはガス漏れを心配し、レスキュー隊や消防車、救急車までもが出動する騒ぎになったそうですよ。大パニックを引き起こしたシュールストレミングですが、実はシュールストレミングで異臭騒ぎが起きるのは珍しいことではないとか。
世界三大臭い食べ物とは?
それでは、ここから世界三大臭い食べ物についてご紹介していきましょう。世界三大臭い食べ物は、それぞれ発祥国においても「大好きな人」と「絶対に食べない人」に分かれるくらい、強烈な臭いを放つ食べ物です。臭いの強さを定量的に表す「アラバスター単位」を用いて、ランキングが作成されます。「アラバスター」という臭気測定用検知器によって計測される単位で、臭いを数値化した貴重なデータとして扱われています。ここでは、セカイハブが発表している世界三大臭い食べ物をご紹介しましょう。
第1位:シュールストレミング
世界三大臭い食べ物第1位は、この記事でご紹介しているシュールストレミングです。アラバスターは、2位に大きく差をつけて8070という数値。スウェーデンの伝統的な発酵食品で、その臭いレベルは焼きたてのくさやと比べると約6.4倍、納豆と比べると約17.9倍の臭いを発するそうです。なお、日本でいう「缶詰」は滅菌処理がなされたものを指しますが、シュールストレミングは缶詰に入れられた状態で発酵が進むため、滅菌処理されません。そんなシュールストレミングの臭いを分かりやすく表現すると、強いアンモニア臭や硫黄臭だそうです。
第2位:ホンオフェ
世界三大臭い食べ物第2位は、韓国のホンオフェです。アラバスターは6230と、シュールストレミングに比べるとやや落ち着いた臭いのよう。しかし、こちらも発酵させた魚なので、シュールストレミングと似たアンモニア臭を放ちます。主にガンギエイの刺身を発酵させたもので、ガンギエイの体内に含まれる尿酸が発酵されるため独特のアンモニア臭になるそうですよ。そして意外なことに、ホンオフェは高級料理として振る舞われ、レストランや冠婚葬祭で提供される料理なのだとか!
第3位:エピキュアーチーズ
https://x.com/aki_setura/status/1815027242688541127
世界三大臭い食べ物第3位は、ニュージーランドのエピキュアーチーズです。アラバスターはさらに大幅に下がり、1870です。発酵と熟成を経るチーズのため、悪臭が放たれるそうです。特にチーズ愛好家の間では評価が高い食べ物で、エピキュアーチーズという名前には「美食家向けのチーズ」という意味が込められているんですよ。エピキュアーチーズの臭いは、発酵過程で生まれるバクテリアが化合物を生成することで発生するそうです。ワインに合うようなので、チーズ好きさんは試してみる価値があるかもしれませんね!
日本の食べ物は何位?
世界三大臭い食べ物は、スウェーデンのシュールストレミング、韓国のホンオフェ、そしてニュージーランドのエピキュアーチーズでした。では、日本の食べ物がランクインしているのかも見てみましょう。日本からはくさやが第5位に、続いて6位に鮒ずし、7位に納豆と、5位から9位までに日本の食べ物がランクインしていました。ちなみに「履いた靴下」は第13位に匹敵するそうで、日本には履いた靴下よりも臭い食べ物が多くあるんですね!
まとめ
シュールストレミングで死亡例があるのかどうか調査しました。結果、シュールストレミングで誰かが死亡したという事故や事件は、起きていませんでした。食べ物による死亡事件は悲痛ですから、シュールストレミングで死亡した人がいないことは何よりでしたね。しかし、シュールストレミングの強烈な臭いにより事件化した出来事が多くありました。そのほか、世界三大臭い食べ物に興味がある人は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。