世界一黒い塗料を知っていますか?黒には数種類ありますが、その中でも最も黒いとされるのが「ペンタブラック」という塗料です。世界一黒い塗料「ペンタブラック」が何に使われるのか調べてみましょう。また、世界一黒い塗料はアートの世界でも注目度の高い塗料だそうで、その使用権を巡ってアーティストの間で論争が勃発していました。
ありそうでなかった世界一黒い塗料は、世界でどのように注目されているのでしょうか?
世界一黒い塗料とは?
世界一黒い塗料が生まれたのは、イギリスのSurrey NanoSystems社だそうです。同社独自のコーティング技術で開発され、世界一黒い塗料を塗った部分は光を99.965%吸収するとか。実は、100%の光を吸収するのはこの世で「ブラックホール」のみといわれています。世界一黒い塗料は、ブラックホールとほぼ同じレベルで光を吸収することができるということですね。私たちの「見え方」にも大きく影響する塗料のため、用途には慎重になりそうです。
世界一黒い塗料はどれくらい黒い?
世界一黒い塗料は、ほぼブラックホール並みの黒さを持っています。たとえるならば、くしゃくしゃに丸めたアルミホイルに世界一黒い塗料を塗ると、くしゃくしゃになっているはずなのに、平らな黒い物体に見えてしまうほど。
光をほとんど反射しないので、どんなものも文字通り「漆黒」の物体に変え、また立体感や影さえも一切感じさせなくなるのだそうです。
【参考サイト:オーシャンフォトニクス株式会社】
立体として認識しているものが突然平面になったら、視覚や脳が混乱しそうですね。
世界一黒い塗料は何に使われる?
世界一黒い塗料は、主に車の塗装に使われています。2016年に、世界一黒い塗料を使って塗装されたBMTWITTER TWITTER6が発売されました。2021年に発売されたフェラーリ社の「SF90 Stradale」もまた、世界一黒い塗料を使って塗装されました。最高速度時速340キロ超えのスーパーカーで、かつ世界一黒い塗料が施されていることから、走行している姿は目を疑うような黒い物体。神秘的で圧倒的な存在感を見せつけました。
世界一黒い塗料の使用権争いが面白い
世界一黒い塗料に関して、業界では使用権をめぐる争いが勃発しているといわれています。インドの彫刻家アニッシュ・カプーア氏という人物が2016年に、アート部門での世界一黒い塗料の独占使用権を購入しました。
このことにより、カプーア氏以外のアーティストが作品に世界一黒い塗料を使うことができなくなってしまったのです。それに激怒したのがイギリス人アーティストのスチュアート・センプル氏。
スチュアート氏は独自の黒い塗料「Black 2.0」を発売し「カプーア氏を除き誰でも使用可能」という条件を付けたのだそうです!
まとめ
世界一黒い塗料について調査しました。世界一黒い塗料は、どんな立体をも「平面」に見せてしまうほど真っ黒で、光の反射率をブラックホール並みに下げた特殊な黒であることが分かりました。光を微塵も感じさせないレベルの黒さは、私たちが日ごろ目にしている黒とは比較にならないほど、惹き込まれる小気味よさや魅力を持っていましたね。
今後、この世界一黒い塗料を使ってデザインされるアイテムが増えるかもしれません。魅惑的なブラックを求める人の美意識を満たすことができるかどうかも、見どころですね。